先日休日当番医をしていた時、御殿場の整形外科さんから電話があり、顎関節が脱臼してしまった患者様の依頼をうけた。拝見するとお口が開いたままになっていて顎が右方向にずれている。お聞きすると朝からずっとこのままだという。症状からすると左右の顎関節が開口時に完全脱臼している。ちょっと我慢していただき、整復することができた。関節に異常がなかったのでそのまま帰宅していただいた。このような脱臼は習慣性になってしまっている場合が多く、通常は患者自身で整復することができるが、時として今回のように大きく脱臼してしまった場合は受診が必要になる。そこでどこに受診するか？答えは歯科医院です。

また似たような症状で、注意しなけらばいけないのが、顎関節の関節円盤の転位。
これも先日、紹介で来院された患者様で、２・３日前から口が開かなくなり、ちょっとでも口を開けようとすると痛くてしようがないという症状。これは脱臼ではなくて、関節を介在する関節円盤というものがずれてしまったケース。この場合は関節円盤をもとの関節腔に戻さないかぎり症状は改善しない。通常２．３日以内であればもとに戻すことができるが、１週間をすぎると整復することが困難でクローズドロックという状態におちいってしまう。今回の患者様は１０分程度の処置で幸い整復することができ、その後の経過も良好である。

普段顎関節がカクカクなる（クリック症状）方は急にこの「関節円盤転位」になってしまうことがあるので注意が必要。