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歯周病の自覚症状

歯周病はSilent Disease . つまり痛みを伴なわないままゆっくりと進行します。したがって症状を自覚するようになると、歯周病は中程度以上に進行していることが少なくありません。

一般的な歯周病の自覚症状
  • 歯がむずがゆい感じがする
  • ブラッシング時に出血する
  • 歯肉から膿が出る
  • 口臭がある
  • 唾液がネバネバする
  • 唾液に血液がにじむ
  • 歯が揺れる
  • 歯並びが変わってきた(歯がすいてきたなど)

歯周病の原因

歯周病の初発因子はプラークとよばれる細菌の塊です。
歯にべったりと貼り付いていますのでバイオフィルムともよばれます。

プラーク染め出し

プラークは白っぽい色をしていますので一見するとわかりにくいですが、プラーク染め出し液を使うと歯肉との境目に帯状に付着しているのが確認できます。

バイオフィルム

バイオフィルム内では多くの菌種が集落を形成し、これが停滞し続けば歯周病が始まります。

歯周病の進行

歯面にプラークが停滞すると歯肉に炎症をおこします。
軽度であったり初期の段階であれば「歯肉炎」とよばれブラッシングや簡単な歯石の除去で治癒します。
しかし放置すれば病状は進行し歯を支えている歯槽骨が崩壊していきます。
この歯槽骨の吸収程度により軽度・中程度・重度の歯周炎と分類されるのです。 

歯周病の進行程度はエックス線診査と歯周ポケット検査により診断できます。
  歯周ポケットとは歯と歯肉の境目にある溝のことで、健康の場合その深さは2mm前後ですが歯周病が進行した場は 4mm以上の歯周ポケットが認められ、さらに重度の場合では10mmにも達することもあります。 

深い歯周ポケットが認められる部位では通常歯周病原細菌が検出されるため歯周病治療が必要となります。

歯周病の病態模型 歯周病の病態模型(進行するにつれ歯槽骨が吸収していきます)
健康な歯肉の一例 重度歯周炎の一例
健康な歯肉の一例

ピンク色の引き締まった歯肉をしています。

重度歯周炎の一例

歯槽骨の吸収にともない歯肉が退縮し、歯根の露出がみられます。

歯周病のリスクファクター

全身疾患と歯周病とは密接に関連しています。特に糖尿病、自己免疫疾患(リウマチ、アレルギー)、高血圧などは歯周病の進行に関与しています。また歯周病が進行している場合、歯周病細菌が歯周ポケットを経由して全身に移行し、各臓器で糖尿病、心臓血管疾患、誤嚥性肺炎、早期低体重児出産などに関係していることが知られています。また喫煙は歯周病の進行を増強するだけでなく、歯周治療に対する反応を悪くします。
当院では専門的な歯周病治療を行うため、患者様それぞれの全身疾患の状態を医科の連携により管理し治療を進めています。また喫煙者に対しては歯周病治療と並行して禁煙支援も行っています。


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