歯周病の治療法
歯周病治療は次の3つの治療段階に分類できます。
歯周病の原因を除去するステージです。
まずはじめに必要なことは直接の原因であるプラークの付着を少なくすることです。プラークコントロールとよばれるものでホームケアによる治療が主体となります。
続いてプロケアとして私どもが歯石の除去を行っていきます。歯石を取り除くことで歯の本来のツルツルな表面性状を取り戻し、プラークが付着しにくい環境にすることが目的です。
さらに個々の症例に合わせて原因的事項を取り除く治療を行っていきます。
軽度あるいは中程度の歯周炎のほとんどは01の初期治療で治癒します。
しかし中程度から重度の歯周炎、また種々のリスクファクターを有する場合などでは初期治療後さらに外科的治療を行う場合があります。
術式はケースによって様々ですが一般的には歯肉を切開・剥離し歯周ポケット内の深い部分の歯石除去そして歯槽骨の整形を行い、結果として歯周ポケットの深さが改善される(浅くなる)といった手術を行います。
ただし歯周病の進行が重度であればあるほど、術後は歯肉の退縮や歯根の露出、知覚過敏といった弊害が生じやすくなります。
最近では失われた歯槽骨を再生しようとする「歯周再生治療」が注目を浴びるようになりました。歯周病治療にとって夢のような治療方法ですが適応症が限られており、ケースにもよりますが骨の再生量も多くは望めないようです。
現在臨床で行われている術式はGTR法とエムドゲイン療法の2種類が一般的です。
エムドゲイン療法
またより良い治療結果を得るために、当医院では歯周組織再生療法(エムドゲイン療法)を1999年より行っております。エムドゲインゲルを使うことで通常の外科手術では再生しない歯槽骨などの歯周組織の回復が期待できます。エムドゲインゲルはブタの歯胚組織由来の成長タンパクの一種で、現在の科学水準に基づく堅い安全性の確保の下、世界で広く使用されている材料です。
術前 |
エムドゲイン |
初期治療後また外科治療後、必ず継続していかなければならない重要な治療段階です。
近年はその意義がとても重要視されプログラムも確立されてきております。
私ども医院では歯周治療後の治癒状態、リスクファクターの有無、欠損歯数、補綴物の状態など個々のケースに応じて、1から3ヶ月間隔で歯周組織のトータルなメインテナンスを行っております。
歯周病の治療例
ケーススタディ
中程度歯周炎 初期治療のみで治癒した例 |
中程度歯周炎 初期治療と外科治療で治癒した例 |
中程度歯周炎 初期治療・矯正治療により治癒した例 |
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術後19ヶ月後 |